同志社大学社会福祉教育・研究支援センター Doshisha Education Research Center of Social Welfare同志社大学社会福祉教育・研究支援センター Doshisha Education Research Center of Social Welfare

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カテゴリー 【開催報告】

2月例会報告

 去る2月27日、今年度最後のカンファレンス、ケースメソッド編(私のケース討議)第4回目が開催されました。

 毎年、一年の最後は、その年にソーシャルワーカーとして働き始めた卒業生が一年間を振り返る報告を担当しています。今回のケース担当の北山さんも、去年の4月に精神保健福祉分野で働きはじめたばかりの卒業生です。「いつも仕事でお世話になっているので、今日のカンファレンスかけつけました」というソーシャルワーカーから、「私も同じ去年の3月に卒業したばかり。同期がどうなっているのか、話をじっくり聞きたかった」という同期のソーシャルワーカーなどが集まってくださいました。

●ケース担当:北山紗恵子さん(2012年卒 アルコール専門精神科クリニック 精神保健福祉士)

●ケース教材:「確実に回復の道を歩んでいる」

●参加者:8名(精神科クリニック、一般病院、更正保護施設、知的障害者通所施設、市役所勤務等の社会福祉士及び精神保健福祉士)

●当日の風景
 このカンファレンスには、ほぼ毎回参加してくださっている北山さん。同期はもう一名だけ。他は先輩方である参加者を前に、自分で作成したケースを討議の材料として用いられることに、少しの緊張と少しの喜びを感じているかのような面持ちでじっと座っておられました。
 今回は、「私」を主語にして自由に書くケースに加え、「他のワーカーさんならどうしていたかぜひ聞いてみたい印象深い場面(ショートケース)」を作成していただきました。ショートケースの提供には、北山さんの所属しているクリニックのご理解もあり、カンファレンスにて「いま、まさに、現場で新人ソーシャルワーカーが直面している困りごと」を共有させていただき、学ぶことができました。

 人がなぜアルコールを必要としているのか。依存症というものの背景にある人々の孤独、たとえば、それぞれのソーシャルワーカーが少なからずももっている支援への悔いの気持ちなどについて、熟考することができたひとときでした。

 新年度も、同じペースで実施します。3月に卒業する新たな仲間とともに、春からまたスタートしたいと思います。どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。

        

「いつも仕事でお世話になっている北山さんのケース討議、ぜひ参加したかった」と飛んできてくれました

2013年4月24日 更新 カテゴリー:開催報告

1月例会報告

  去る1月23日、ケーススタディ編(ソーシャルワーカーの当事者研究)第4回目が開催されました。

 今回の発表担当の西川さんは、定例カンファレンスでは2回目の報告です。2年前の報告は、転職後のとまどい、新事業の担当に悪戦苦闘するエピソードが語られていましたが、この2年の間に職場や地域での人間関係も広がり、担当する事業はどんどん増えつつも、試行錯誤を楽しみたくましさが伝わってくるようでした。

●報告者 西川瞬さん(就労継続支援AB多機能型NPO法人勤務 B型職業指導員 社会福祉士)

●報告テーマ「はたらく中で認められるということ」

●参加者 10名(公務員、一般病院、精神科病院、精神科クリニック、老人保健施設、知的障害者通所施設勤務の社会福祉士および精神保健福祉士)

●当日の風景

 今日は、半年間客員教授としてお招きしていたヨーク大学の松岡先生が参加し、コメントしてくださいました。松岡先生は、ソーシャルワークにおける抑圧とストレングスに関して研究をされています。

 カナダでは、オフィスの異なるソーシャルワーカー同士は、その雄大な地形の影響で、日常顔を合わせて交流することはなかなか難しいようです。インターネットなどを介して悩みや思いを共有することが日常的だと伺いました。本日のカンファレンスに参加いただき、「日本では、顔を合わせて交流することができる地形である。それを存分にいかし、自分の直面しているパワーの問題やストレングスを率直に表明できるこのようなカンファレンスがあることが意義深い。ぜひとも継続してほしい。」とおっしゃって帰られました。

 

今日はヨーク大学の松岡敦子先生も(本学客員教授)参加し、なごやかな会となりました

2013年2月15日 更新 カテゴリー:開催報告

12月例会報告

ホワイトボードで仕事の概要、組織での位置づけなどをまずレクチャーうけました

  去る12月19日、「私のケース討議」編第4回目が開催されました。年末に関わらず、    今回も京都市内から大阪府下からの卒業生が集いました。今年から働き始めた医療ソーシャルワーカーが、「ぜひとも先輩の話を聞いてみたい」と、一人でこの会に初めてやってきてくれたのも嬉しく思いました。

 どうぞお気軽に、一人でもお越しください。会には、同じ様な思いの卒業生がきているかもしれません。

●ケース担当:清水裕美子さん(2004年卒 がん相談センターがん支援相談員 社会福祉士)

●ケース教材:「自分が納得するまで努力すること」

●参加者:8名(精神科病院、精神科クリニック、大学病院、知的障害者通所施設、市役所勤務の社会福祉士及び精神保健福祉士)

●当日の風景

 がん支援の相談業務をしている清水さんの作ったケースをもとに、今月もじっくりと討議する時間をもつことができました。今、あらゆる分野に社会福祉士の雇用が拡大をしています。もともと病院の中には、医療ソーシャルワーカーが働いていますが、さまざまな機能分化の流れを受け、相談職としての新たな雇用のあり方が出てきています。看護師、臨床心理士らと相談業務を担当するがん支援相談員もその一つです。

 今日のカンファレンスでは、まずは、この「がん支援相談員」についての説明からはじまりました。さまざまな分野で働く現任者が集まってくるこの会では、他分野の働く当事者から最新の動向をざっくばらんに直接聞くことができるのも意義の一つとなってきています。 

ケースは、A3ぎっしり清水さんのこれまでと今が盛り込まれた読み応えのあるものに

  毎回、作成を御願いしているケースですが、ここには、ソーシャルワーカーたちが直面している課題が盛り込まれてきます。私はこんなふうにその状況をとらえ、このように判断し、こう対応したが、他の人だったらどうするだろうな・・・そんな風に心にひっかかっているいわゆる修羅場体験が、討議の材料として用いられます。今回も、清水さんのこれまでをじっくり聞かせてもらいながら、医療の現場で直面している人の命に関わるものとしての苦悩を伺うことができました。

 私のケース討議では、ケースメソッドを採用し、そこに書かれた支援のプロセスを評価するというよりも、同じ状況を疑似体験し、「自分だったらどうしているだろうか」という思考のプロセスを自らじっくりと歩むことに重きをおいています。

 

2013年2月15日 更新 カテゴリー:開催報告