同志社大学社会福祉教育・研究支援センター Doshisha Education Research Center of Social Welfare同志社大学社会福祉教育・研究支援センター Doshisha Education Research Center of Social Welfare

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あるべきソーシャルワーカー像を探求する。こうありたいソーシャルワーカー像を語りながら。

11月定例会のお知らせ

卒業生のみなさまへ

 いつもありがとうございます。今月は今年から更生施設で勤務している卒業生にケースを提供していただき、討議をすることとなりました。皆様お忙しいところ恐縮ですが、奮ってご参加ください。
 なお、更生施設とは、生活保護法第38条第1項第2号に基づく保護施設で、「身体上及び精神上の理由により養護及び補導を必要とする要保護者を入所させ生活扶助を行う」ことを目的としている施設です。

 日にち:2011年11月30日(水)
 時間 :19時~21時(予定)
 場所 :同志社大学新町キャンパス渓水館1階会議室
   ケース討議:「卒業しても、寄れる場所」

 この頃大学は同志社EVE祭を終え、キャンパスに落ち着きが戻ってくる頃かと思います。一人でも多くの卒業生のご来場をお待ちしています。初めての方も、どうぞお気軽にご参加ください。当日参加大歓迎です。

2011年11月9日 更新 カテゴリー:今後の予定

私と仕事(保健所で働く精神保健福祉士)

                            三浦佳子さん(2008年卒) 

公務員としての福祉の仕事

 私は、公務員福祉職として採用され、現在保健所の精神保健福祉関連の仕事を担当しています。福祉職保健所の根拠法は精神保健福祉法です。業務は主に相談業務と事業の企画運営、その他法律に基づく業務があります。相談業務では、基本的には精神科未受診、治療中断の方の医療相談が中心です。相談者はご本人よりも、ご家族がほとんどで、その他、ご近所の方、警察、関係機関等から様々な相談が寄せられます。

 事業の企画運営では、家族教室や関係機関向けの研修会、普及啓発事業などを行います。その他法律に基づく業務としては、精神科病院への実地指導(入院が法律に基づいてきちんとなされているか立ち入り調査を行う)、措置診察の立ち合い業務、心神喪失者等医療観察法に基づくケア会議への出席等、行政らしい仕事もあります。

それぞれの立場にそれぞれの困りごとがある

 ご本人不在の状態で、「入院させてほしい」「治してほしい」とご本人の周囲の人たちが必死に訴えてこられる相談も多くあります。確かに、困っていることは十分に理解できます。でも、“どんな状態でも治療は本人に受ける選択権があるべき?”それとも、“本人が治療について正しく理解できない時は無理にでも治療を受けさせることが本人のため?”と、正解がわからず迷うことが今でもあります。また、“普通より変わった人”は病気でなくても精神科の対象と一般的に思われることも多く、「危険だから入院させてほしい」という相談も時々寄せられます。社会の枠にはまらない人を、社会から排除しようとされてしまうことに怒りを感じることも以前はありました。人生経験の浅い自分が、専門職として、行政の職員として、他者の人生の一大事に大きく関わり、影響を与えることに責任を感じます。しかし支援の経過の中で、苦難の中にいるご家族とご本人が、なんとか乗り越えようとする姿の中にキラリと光る眩しいものを感じる時が多々あります。その場面に寄り添い、共に経験させてもらえることにやりがいを感じ、「やめられないなぁ」とついつい思ってしまうのが、今の私の到達点です。

                                (社会福祉士・精神保健福祉士)

2011年11月9日 更新 カテゴリー:私と仕事

10月例会 参加者感想

10月例会参加者感想の一部を掲載します。

●ケース提供者感想(三浦佳子さん 2008年卒)
保健所業務や保健所の役割を理解してもらうことが難しいなぁと思うことが多いため、うまく伝えられたかどうかわかりませんが、カンファレンスの場で発表する機会を設けていただいてよい経験となりました。また、ご本人不在で相談をお受けすることの難しさや迷いを皆さんと共有し、共感してもらえて力になりました。これからも、ご本人の声にならない声に耳を傾け、支援していけるケースワーカーでありたいと思います。定例カンファレンスに出席するようになってから、現場での経験と合わせて学びができるため、学生の時とはまた違った気づきがあります。参加された卒業生の皆さん、ありがとうございます。

●参加者感想

人それぞれには物語があり、それを語るもしくは語ってもらうことがソーシャルワークなんだと最後に思い出しました。無言にしろ、言葉があるにしろ、物語ることで新しい局面を向かえるのかなと思いました。(2009年卒
最後に「やめられないなあ」と思ってしまう福祉の仕事について、ソーシャルワーカーを通しての楽しさや素晴らしさを自分なりに見つけていくことがソーシャルワーカーをつづけていく中で大切なキーワードとなると思います。(2006年卒
「本人から見た世界」を意識することを大切にしようと何度も何度も思うのですが、いつもどんな時もできているとはいえない自分に反省しました。逆に「すぐに解決に向かおうとしている自分」の映像が思いおこされて、もっとクライエントの世界に寄り添わなくてはと思いました。相手が「話してみてもいいかな」と思えるソーシャルワーカーになれるように頑張ります。(2009年卒

2011年11月9日 更新 カテゴリー:参加者感想