同志社大学社会福祉教育・研究支援センター Doshisha Education Research Center of Social Welfare同志社大学社会福祉教育・研究支援センター Doshisha Education Research Center of Social Welfare

定例カンファレンス案内
お問い合わせ

定例カンファレンス案内

カテゴリー 【開催報告】

4月例会報告

 去る4月25日、今年で3年目にはいる定例カンファレンスの初回講座が開催されました。年度初頭でお忙しい中、15人の卒業生が集まりました。この3月に卒業してソーシャルワーカーとしてのスタートをきったばかりの卒業生4名も参加し、とても活気のあるスタートを切ることができました。
 基本的に、出入り自由な会ですので、いつからでも、いつでも、ご参加いただけます。今年度もどうぞ定例カンファレンスをどうぞよろしくお願いいたします。以下に初回報告を簡単に記します。
 

●ケース担当 吉田早希さん(2012年卒 精神科病院 精神保健福祉士)
●ケース教材「こんな人(犬)と一緒に働けたら幸せだろうな」
●参加者15名
(一般病院、大学病院、精神科病院、精神科クリニック、回復期リハビリテーション病院、公務員福祉職、知的障害者通所施設、がん相談センター等所属の社会福祉士あるいは精神保健福祉士、看護学校学生など)

●内容 
精神保健福祉実習あるいは盲導犬との出会いがきっかけでソーシャルワーカーになることを志した吉田さんが、社会人になって一月の経験をもとに書き上げたケースをもとに、キャリアの段階について、仕事と生活の持ち方などについて自由に討議をしました。就職して何年もたつ人、別の業種に転職した人、あらたな資格取得を目指して勉強中の人など、さまざまなキャリアを持つ参加者が多かったため、さまざまな角度から討議をすることができました。

●本日の引用参考文献
シャイン,E,H原著 金井壽宏訳 2003「キャリアアンカー」 白桃書房

2012年4月27日 更新 カテゴリー:開催報告

3月例会 報告

いつまでも肌寒く、いつになったらお花見ができるのか・・・と思いきや、今週はすっかり暖かな春の陽気に包まれています。みなさま、お元気でお過ごしでしょうか。本学社会学部社会福祉学科でも83名の新入生を向かえ、新学期がスタートしました。

去る3月30日金曜日、2011年度の締めくくりとして、今年一年のカンファレンスを振り返る座談会を開催いたしました。今年度は、全11回開催し、そのうち2回は大阪(西梅田、茶屋町)での出張開催が実現しました。外部講師をお招きしての特別講座も開催し、また、きょうと介護福祉ジョブネットからのお声かけにより、外部者向けにも1回開催できました。2010年から始めたこの講座には、のべ58名の卒業生が参加協力してくださっています。働くフィールドも、経験年数もさまざまで、在学中に知り合いだったわけでもなかったメンバーでしたが、一度新町キャンパスの会場に集まると2時間の討議が白熱、そこから新たなネットワークがたくさん生まれていきました。

新年度もカンファレンスは継続開催されることとなりました。4月からもどうぞよろしくお願いいたします。

●参加者 5名

●感想
3年目になるにあたって、色々行詰ることがあるのですが、今日の座談会に参加して、来年度もがんばろうと思いました。新しく始まるケーススタディもとても楽しみです。毎年自分のまわりの状況が変わっていく中で、定例カンファレンスが続いてもらえているのが助かっています。

今日はたくさんしゃべることができました。特に3年目という事実に少し抵抗を感じているとことだったので、これからの仕事への取り組みについてヒントがいただけたように思います。新年度から始まるケーススタディは、社会福祉士としての自分を見つめ直せるよい機会となりそうです。

まず、こういう場をつくっていただき、大学、先生、先輩という安心感がありました。自分の心の中のものが、ここできちんと発言できるようにしたいです。ここに集まる人とのつながりを大切にしていきます。

 

 

2012年4月13日 更新 カテゴリー:参加者感想開催報告

2月特別講座 大阪アプローズ・タワー出張開催報告

 去る2月25日、大阪アプローズタワー13階会場にて、特別講座の大阪出張開催を実施しました。同志社の大阪サテライトの移転期間のため、茶屋町の貸し会場での開催となりました。年度末でお忙しい中、また雨の降る悪天候の中、13名の実践家にお集まりいただきました。京都カンファレンスでおなじみの参加者、久しぶりの参加者、大阪出張開催にはいつも顔を出してくれる参加者、今回初めて参加する卒業生等にご参加いただきました。

今日も初顔合わせの卒業生が集う

●講師 上野哲先生(小山工業高等専門学校専任講師 博士・文学)

●タイトル 「ソーシャルワーカーとしての不適切な判断を減らすための方法論~哲学の理論をヒントに二者択一の見方を乗り越える~」

●参加者 13名(母子生活支援施設、知的障害者通所施設、一般病院、大学病院、精神科病院、保健所勤務の社会福祉士及び精神保健福祉士、小学校教員等)

●内容 ソーシャルワーカーという専門職が、「仕事の際限性の無さ」という特徴をもつことに着目し、私たちは「複数の知識や技術をそこそこ探求した上でそれらを複合・連携した知識を発展的に応用」しながら実践にとりくむ現実があることを上野先生は研修の冒頭で解説されました。そして、ソーシャルワーカーには、「倫理的ジレンマも複合的になるため、多方面に配慮した複雑な判断が不可欠である」であるとして、二つの映像を用いたケース討議を展開されました。一つは、戦場で部下が砲撃を受けた映画の一場面を鑑賞し、「あなたがここにでてくる曹長ならば、打たれた部下に対して何をするか」。もう一つは、ある神父が懺悔の場で生徒の一人が父親から性的虐待を受けていることを知りえた映画のストーリーから3場面を切り取って鑑賞し、守秘義務と職務との間で悩みながらどのような判断を下していくか。合計4つの問いに対する討議を行いました。

問いに対する自らの答えを必死になって出し合い、披露しあう

 4つのグループに分かれての小グループ討議では、参加者だれもが「ああでもない、こうでもない」と唸りながら、集中して討議に取り組みました。特に二つ目のケース討議では、自分がこの神父の立場だったら守秘義務を守りきるのかどうするのかを考えましたが、全体討議で出てくるグループごとの「とるべき行動」の中味、立場がそれぞれに随分と異なることに驚きの声をあげる光景がたくさんありました。

 最終的に上野先生が用意していた、複合的なジレンマに直面した時の対応策としては、「できるだけやらないほうがいいこと」「できるだけこだわったほうがいいこと」「できるだけ気をつけたほうがいいこと」の三点に集約されて解説されました。倫理原理にかんするさまざまな文献、事例等をふんだんに盛り込んで私たちを着地点に導いてくださり、大変有意義な2時間となりました。

なぜ「守るのか」、なぜ「守らないのか」・・・容赦なく上野先生はつっこんできます

2012年2月28日 更新 カテゴリー:開催報告