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2月特別講座のお知らせ 哲学の理論をヒントに考える

2月特別講座のお知らせ 哲学の理論をヒントに考える

卒業生のみなさんへ

 寒い日が続きます。インフルエンザや流行性の胃腸炎が医療福祉施設でもはやっていると伺います。みなさまもどうぞお体ご自愛ください。
 さて、今年度の定例カンファレンスのまとめとして、外部講師をお招きしての特別講座を開催します。一人でも多くの近畿圏の卒業生にお集まりいただきたく、アクセスのよい会場を確保しました。新人の方々、大歓迎です。中堅、先輩と言われる方々も大歓迎です。大阪茶屋町の会場にてご来場を心よりお待ちしています。事前申し込みなくとも、当日参加大歓迎です。

  日にち:2012年2月25日(土)
  時間 :15時~17時(終了予定)
  受付 :14時30分より開場
  場所 :大阪梅田茶屋町 阪急アプローズタワー13階貸し会議室 8号室
  https://www.hhbm.hankyu-hanshin.co.jp/meeting/applause/access.html
  講師 :上野哲さん(小山工業高等専門学校専任講師 文学博士)
  タイトル
「ソーシャルワーカーとして不適切な判断を減らすための方法論~哲学の理論をヒントに二者択一の見方を乗り越える~」
  内容 :
 「正しいと思われる選択肢を選んだ瞬間に、その選択は間違ったものになる
可能性が生じる」と言われると、皆さんは一瞬、頭が混乱するかもしれません。簡単な例を用いて説明しましょう。例えば、明日あなたは遠方に出張する予定であるにもかかわらず悪天候になるという予報を聞き、予約していた飛行機のチケットをキャンセルして新幹線で目的地に向かうことにしたとします。しかし、翌日は快晴で、飛行機は平常通り運航した一方で、新幹線は人身事故の影響で8時間遅れて目的地に着きました。この場合、結果的に交通手段を飛行機から新幹線に変更した判断は間違いだったことになります。一方でもちろん、もし予報通り悪天候になって空港が閉鎖されていたら、新幹線を選んだ最初の判断は正しかったことになるでしょう。
 この事例から次のことが言えます。①「判断の正誤は結果が出るまでわからない場合がある」②「判断の正誤は偶然性に左右される場合がある」③「判断は他人が提供する情報や過去の自分の経験に基づいて、正しいものだと”信じて”行うしかない」。
 さて、ソーシャルワーカーである皆さんが日々直面する問題の多くは、実はこの3つの要素が複雑にからんでいます。こうした厄介な要素を含む問題に対して、皆さんは日々どのような心づもりで向き合っていらっしゃるのでしょうか。私は、哲学・倫理学が専門ですが、冒頭の「正しいと思われる選択肢を選んだ瞬間に、その選択肢は間違ったものになる可能性が生じる」という視点をヒントに、当日はソーシャルワー
カーとして結果的に不適切な判断をできるだけ減らすための方法を、みなさんといっしょに探っていきたいと思います。

  参加費:無料
  対象 :社会福祉現場で働く卒業生であればだれでも参加いただけます
  定員 :30名
  主催 :同志社大学 社会福祉教育研究支援センター・教育開発センター
  お問い合わせ:野村までynomura@mail.doshisha.ac.jp) 

 


 
講師紹介:上野哲先生(うえの てつ)
1972年生まれ。広島大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。応用倫理学専攻。日本学術振興会特別研究員、広島大学教育学研究科勤務を経て、現在小山工業高等専門学校一般科講師(哲学・技術者倫理担当)。主著『応用倫理学事典』(共著)丸善、2008年、『教育と倫理』(共著)ナカニシヤ出版、2008年、『教育〈岩波応用倫理学講義6〉』(共著)岩波書店、2005年、「ケーススタディに基づく看護職倫理教育の課題と展望」『医学哲学医学倫理』第25号、2007年、「ハンセン病療養所の課題―新良田教室卒業生への聞き取り調査を手がかりに」『医学哲学医学倫理』第22号、2004年、「「ケア」をめぐる問題点」『日本の科学者』第38巻3号、2003年ほか。
 上野哲先生には、2010年度11月にも定例カンファレンス特別講座講師としてお越しいただきました。先生の気さくなお人柄と、「なるほどな」と誰もがうなる隠し玉を沢山用意してきてくださる研修が大好評を得ました。

           

2012年2月2日 更新 カテゴリー:今後の予定