同志社大学社会福祉教育・研究支援センター Doshisha Education Research Center of Social Welfare同志社大学社会福祉教育・研究支援センター Doshisha Education Research Center of Social Welfare

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5月定例会 新プログラム始まります

5月定例会 新プログラム始まります

卒業生のみなさんへ

 いつも定例カンファレンスにご協力いただきありがとうございます。今年から新たに始まるプログラム「ケーススタディ講座」の初回講座を予定しています。講師は本学の空閑先生が担当します。参加者は、卒業生であれば、経験年数に関わらず誰でも参加できます。もちろん当日参加も可能です。ふるってご参加ください。一人でも多くのみなさまのご来場をお待ちしております。

ケーススタディ講座:
社会福祉専門職(ソーシャルワーカー)の「当事者研究」
                 
~「考え続ける専門職」であるために~
日にち:2012年5月30日水曜日
時間 :18:30受付開始 19時~21時(終了予定)
場所 :同志社大学新町キャンパス渓水館1階会議室
講師 :空閑浩人(同志社大学社会学部社会福祉学科教授)
対象 :本学で社会福祉学を学んだ現任のソーシャルワーカーなど
費用 :無料

趣旨 :
 
相談職にしても、介護職にしても、社会福祉専門職(ソーシャルワーカー)としてのアイデンティティの獲得、また実践力や専門性の向上、仕事の可能性の拡大のために、様々な知識や理論・技術を学ぶ研修はもちろん大切です。しかし、それと同時に、あるいはそれ以上に(といっても過言ではないと思います)、自らの実践を「言語化」する作業が必要だと考えます。なぜなら、私たちにとっての援助の実践とは、援助者である「自分」の存在を介して、様々な知識や技術が駆使される活動であり、それらの知識や技術は、援助者である「自分」の存在を通して、利用者や利用者の環境に提供され、影響を及ぼしていくからです。言い換えれば、援助者である「自分」を離れての知識や技術の習得では意味がありません。

 私(空閑)は、人々の生活に関わる社会福祉援助の仕事は、「振り返りの専門職」であると考えています。言い換えれば、あらかじめ決まった答えがないなかで、その時々での「より適切な」あるいは「よりふさわしい」かかわりや働きかけを見出そうとする「考え続ける専門職」であると思います。その意味で、援助者としての実践力や専門性の向上は、自らの実践の振り返りのなかにこそあると思うのです。そして、自らの「実践の言語化」は、日々の実践を(利用者にとって)「より適切な」「より意味のある」かたちにしていく上で、欠かせない作業であると思っています。

  この取り組みでは、私たち自らの「実践の言語化」を通して、私たち援助者が、利用者一人ひとりへの「より適切な」「よりふさわしい」支援のかたちと、それを支える理論や知識・技術・思考などの「知性」(ソーシャルワーク・マインド)を、「共に」見いだし、獲得し、共有し、育んでいく機会を得ることを目標にします。ここで行われることを一言で言えば、援助職である私たち自身の仕事の現状や、そのなかで体験された様々なエピソード、現状に対する考えと今後の展望などを「ケース(事例)」として研究する「社会福祉専門職の『当事者研究』」ということになります。そして、この研究活動は「個人研究」であるとともに「共同研究」でもあります。「共同研究」には、何よりも参加されるみなさんの協力が欠かせません。「共同研究」のメンバーとして、ぜひご一緒いただければと思います。

 具体的な「研究の概要や進め方」については、次回(5月30日:水)のカンファレンスでお伝えしたいと思います。様々な社会福祉現場で働く卒業生のみなさんの「個人的な」経験を「言語化」し、このカンファレンスの場全体で「社会的に」共有し、そこから得られるもの(気づきや発見、ソーシャルワーク・マインド)を私たちの「共有財産」とすることで、日々の援助の実践における新たな地平をともに拓いていくこと。そんな「研究活動」を、本学卒業生のみなさんと、楽しく面白くご一緒できればと思っています。

 野村先生と一緒に、いつもと変わらずみなさんのご参加をお待ちしています。

                    2012年4月26日  同志社大学 空閑 浩人

2012年4月27日 更新 カテゴリー:今後の予定