同志社大学社会福祉教育・研究支援センター Doshisha Education Research Center of Social Welfare同志社大学社会福祉教育・研究支援センター Doshisha Education Research Center of Social Welfare

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あるべきソーシャルワーカー像を探求する。こうありたいソーシャルワーカー像を語りながら。

5月例会報告

 さる5月30日、今年から定例カンファレンスの新しい企画として始まる「ケーススタディ編」の初回講座が開催されました。今回は、卒業生であれば誰でも参加可能とさせていただきましたので、春から働き始めた1年目から、もうすぐ20年、15年を迎える先輩なども参加され、さまざまな経験年数の卒業生が集まりました。初めて顔を合わせる人、久しぶりに会った人、職種は別でも同じ地域で働く福祉職同士、一旦福祉の仕事を離れてひとやすみ中の人、久しぶりに母校同志社に足を運んだ人など、会のはじめの自己紹介ではいろんな思いが語られ、あっという間に場はなごみました。空閑先生の熱い講義も白熱、あっという間の2時間となりました。

●タイトル: 「ソーシャルワーカー(社会福祉専門職)の当事者研究」
●内容:今年から新たに始まるケーススタディ編の初回講座でした。空閑先生の講師のもと、①本講座の目的②本講座の意義③具体的な進め方(準備)④自由討論で構成されました。鶴見俊輔の言葉を借りれば、大学での社会福祉専門職教育における学びが、「型どおりにセーターを編む」学習だとすれば、この定例カンファレンスのケースメソッド編(私のケース討議)では、編んだセーターを着て、しばらく現場で実際に働いてみたソーシャルワーカーが、一旦「ほどいてもとの毛糸にもどす」ことを目的とした場であるということができます。そしてさらに、今回始まるケーススタディ編(ソーシャルワーカーの当事者研究)では、ほどいた毛糸を「自分のからだにあわせて編み直す」ことを目的とした場であると考えることができます。空閑先生は、ソーシャルワーカーを「振り返りの専門職」として定義し、「援助者としての自分(職業的自己)の体験の独自性に焦点を当てながら、体験の構造を解明していく」ことを目指して進めていくということが講義の中で説明されました。
●参加者 17名(市社会福祉協議会、病院、老人保健施設、クリニック、市役所、特別養護老人ホーム、デイサービスセンター、障害者施設等で勤務する社会福祉士、精神保健福祉士のみなさん)

 今後のカンファレンスの予定ですが、毎月開催されている定例カンファレンスでは、交互に「私のケース討議編」と「ケーススタディ編」を実施していきます。基本的には、「私のケース討議編」にてケース提供をしてくださった経験のある方から、「ケーススタディ編」にて発表していただけるように考えています。

                                     

2012年6月20日 更新 カテゴリー:開催報告

5月定例会 新プログラム始まります

卒業生のみなさんへ

 いつも定例カンファレンスにご協力いただきありがとうございます。今年から新たに始まるプログラム「ケーススタディ講座」の初回講座を予定しています。講師は本学の空閑先生が担当します。参加者は、卒業生であれば、経験年数に関わらず誰でも参加できます。もちろん当日参加も可能です。ふるってご参加ください。一人でも多くのみなさまのご来場をお待ちしております。

ケーススタディ講座:
社会福祉専門職(ソーシャルワーカー)の「当事者研究」
                 
~「考え続ける専門職」であるために~
日にち:2012年5月30日水曜日
時間 :18:30受付開始 19時~21時(終了予定)
場所 :同志社大学新町キャンパス渓水館1階会議室
講師 :空閑浩人(同志社大学社会学部社会福祉学科教授)
対象 :本学で社会福祉学を学んだ現任のソーシャルワーカーなど
費用 :無料

趣旨 :
 
相談職にしても、介護職にしても、社会福祉専門職(ソーシャルワーカー)としてのアイデンティティの獲得、また実践力や専門性の向上、仕事の可能性の拡大のために、様々な知識や理論・技術を学ぶ研修はもちろん大切です。しかし、それと同時に、あるいはそれ以上に(といっても過言ではないと思います)、自らの実践を「言語化」する作業が必要だと考えます。なぜなら、私たちにとっての援助の実践とは、援助者である「自分」の存在を介して、様々な知識や技術が駆使される活動であり、それらの知識や技術は、援助者である「自分」の存在を通して、利用者や利用者の環境に提供され、影響を及ぼしていくからです。言い換えれば、援助者である「自分」を離れての知識や技術の習得では意味がありません。

 私(空閑)は、人々の生活に関わる社会福祉援助の仕事は、「振り返りの専門職」であると考えています。言い換えれば、あらかじめ決まった答えがないなかで、その時々での「より適切な」あるいは「よりふさわしい」かかわりや働きかけを見出そうとする「考え続ける専門職」であると思います。その意味で、援助者としての実践力や専門性の向上は、自らの実践の振り返りのなかにこそあると思うのです。そして、自らの「実践の言語化」は、日々の実践を(利用者にとって)「より適切な」「より意味のある」かたちにしていく上で、欠かせない作業であると思っています。

  この取り組みでは、私たち自らの「実践の言語化」を通して、私たち援助者が、利用者一人ひとりへの「より適切な」「よりふさわしい」支援のかたちと、それを支える理論や知識・技術・思考などの「知性」(ソーシャルワーク・マインド)を、「共に」見いだし、獲得し、共有し、育んでいく機会を得ることを目標にします。ここで行われることを一言で言えば、援助職である私たち自身の仕事の現状や、そのなかで体験された様々なエピソード、現状に対する考えと今後の展望などを「ケース(事例)」として研究する「社会福祉専門職の『当事者研究』」ということになります。そして、この研究活動は「個人研究」であるとともに「共同研究」でもあります。「共同研究」には、何よりも参加されるみなさんの協力が欠かせません。「共同研究」のメンバーとして、ぜひご一緒いただければと思います。

 具体的な「研究の概要や進め方」については、次回(5月30日:水)のカンファレンスでお伝えしたいと思います。様々な社会福祉現場で働く卒業生のみなさんの「個人的な」経験を「言語化」し、このカンファレンスの場全体で「社会的に」共有し、そこから得られるもの(気づきや発見、ソーシャルワーク・マインド)を私たちの「共有財産」とすることで、日々の援助の実践における新たな地平をともに拓いていくこと。そんな「研究活動」を、本学卒業生のみなさんと、楽しく面白くご一緒できればと思っています。

 野村先生と一緒に、いつもと変わらずみなさんのご参加をお待ちしています。

                    2012年4月26日  同志社大学 空閑 浩人

2012年4月27日 更新 カテゴリー:今後の予定

4月例会 参加者感想

カンファレンス当日の参加者感想から、一部ご紹介させていただきます。

「わからないことがわからない」なんてこと・・         ありましたか?!

 

●ケース提供者感想 (吉田早希さん 2012年卒 社会福祉士・精神保健福祉士
 本当に今日はありがとうございました。みなさんの言葉がありがたくて、うれしくて感謝の気持ちでいっぱいです。心がすっと軽くなりました。一人じゃないんだなと思えました。明日からまたがんばれそうです。つらいことがあったら、今日のことを思い出そうと思います。

●参加者感想
患者さんやメンバーさんのライフヒストリーを聞くことはあっても、それを支える専門職の方たちのライフヒストリーを聞くことはほとんどありません。でもこの会に参加することで、自分自身のなぜ?どうして?を考え、振り返りや今後の自分の方向性を考えられるきっかけにしたいと思います。(精神科クリニック 精神保健福祉士
今までは経験が上の人の話をきくことが多かったので、新人さんの話は新鮮でした。ソーシャルワークに大事なことは、実は新人さんの方がよくわかっているのではないかと思い、職場に慣れすぎてはいないか、振り返ってみたいと思いました。(一般病院 社会福祉士
ソーシャルワーカーとしてというよりも、まず社会人として新生活が不安だらけだったのですが、同期の話がきけて、改めて自分がソーシャルワーカーを志した背景や大切にしていきたいことを思い返すことができました。今はしんどいですが、先輩方が、「私も一年目はしんどかった」と言っておられるだけでも励みになります。(精神科クリニック 精神保健福祉士
今年の目標は、この定例カンファレンスに毎月来ることです。本当にみんな頑張って仕事をしていると思います。人と関わる仕事って、色んな気持ちを味わうことができる仕事だとおもいます。3年目に突入しもっとがんばらないといけませんが、マイペースにやっていきたいと思います。楽しく仕事をしていきたいですね。(知的障害者通所施設 社会福祉士
普段一人でいろいろ考えすぎてたのかなと反省しました。閉め切ってむしむしした部屋の窓が開いて、急に風が入ってきて、肩の力が抜けた、そんな時間でした。(看護学校 学生
社会人として3年目でありながら、新しい職場に入り一年目。職場内での立場は今日の発表者と同じような状況である。しかし、この2年間で置いてきてしまった想いもあり、自分を再発見できた時間だった。(公務員福祉職 社会福祉士

大阪での仕事を終えて駆けつけてくれた参加者がいました

2012年4月27日 更新 カテゴリー:参加者感想