同志社大学社会福祉教育・研究支援センター Doshisha Education Research Center of Social Welfare同志社大学社会福祉教育・研究支援センター Doshisha Education Research Center of Social Welfare

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あるべきソーシャルワーカー像を探求する。こうありたいソーシャルワーカー像を語りながら。

3月定例会のお知らせ

卒業生のみなさまへ

 まだまだ寒い日が続いています。来月3月21日には、社会学部の卒業式が開かれ、今年も多くの卒業生が社会福祉現場へと羽ばたいていきます。

 さて、今年度もみなさまのご協力のおかげで、定例カンファレンス講座を開催することができました。来年度も引き続き実施していきますが、これまでのプログラムへのご意見やご感想、来年度のカンファレンスに期待するものとして自由なご意見をいただきたく、以下の日程で座談会を開催したいと思います。「こんなことやってみたい」「引き続きこれはやってほしい」・・・などなど、自由なご意見をいただく場としたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

日にち:2012年3月30日(金)
時間 :19時~20時30分
場所 :同志社大学新町キャンパス渓水館1階会議室
内容 :今後のカンファレンスに寄せる意見交換(座談会)

 なお、新年度、一回目の定例カンファレンスは4月25日(水)19時~となります。現場に出たての卒業生の参加が見込まれます。こちらもよろしけでばご予定ください。

2012年2月28日 更新 カテゴリー:今後の予定

2月特別講座 参加者感想

 特別講座の参加者感想から、一部ご紹介します。

●参加者感想

日々の業務の中で常に仮説は間違っているかもしれない、という前提を持ちながらすすめていくことは非常に大切だと改めて感じました。自分の都合よく進めていることも感じ、反省です。また、立場が違えば倫理観や価値が変わってしまうことも考慮していかなければいけないのかとも思いました。その中で、自分の立場における「最善の判断」ができるように、このカンファレンスを今後の業務に生かしたいです。(2004年卒

仕事をしている中で、色々な選択をすることがありますが、利用者や児童の人生に関わるような重い選択も多く、本当にこの決断でよかったのかと悩むことは多くあります。ですから、今回のカンファレンスの内容をお伺いした際には、大変興味深く感じました。上野先生のお話を聞き、もっともっと自分の悩みをほったらかしにせず、追求し、自分自身の中で整理していかなければならないと考えさせられるきっかけとなりました。(2006年卒)

様々な条件やいろいろな人の思いが複雑にからみあっている中で支援者として何らかの決断をしなければならないことが多々あります。いつも「これで良いんだろうか」と悩んでばかりですが、それも自分自身で抱えられず、ついその気持ちに蓋をしてしまっていることに気がつかされた研修でした。常に自分の選択について考えつづけていくことを大切にしていきたいと改めて思いました。(2008年卒)

本日はありがとうございました。「何やろう、このもやもや感・・・」という気持ちでいっぱいで、ア~久しぶりにもやもやしているなと思っています。それと同時に、最近悩んでなかったことを実感しています。3年目、組織に埋もれていることをつじつまを合わせ、悩まなくなっていることを、情けないなあと思う今日という日になりました。(2008年卒)

とても難しい事例でしたが、とても大切なことを教えていただいたと思います。今は自分の中にちゃんとまだすっっと入ってきていないので、文章にするのは難しいですが・・・。もやもやすることは、よくあります。もやもやしたことは、お風呂の中で考えるようにしています。「さらなる検討が必要」という気持ちは、忘れたくないなと思いました。(2011年卒)

2012年2月28日 更新 カテゴリー:参加者感想

2月特別講座 大阪アプローズ・タワー出張開催報告

 去る2月25日、大阪アプローズタワー13階会場にて、特別講座の大阪出張開催を実施しました。同志社の大阪サテライトの移転期間のため、茶屋町の貸し会場での開催となりました。年度末でお忙しい中、また雨の降る悪天候の中、13名の実践家にお集まりいただきました。京都カンファレンスでおなじみの参加者、久しぶりの参加者、大阪出張開催にはいつも顔を出してくれる参加者、今回初めて参加する卒業生等にご参加いただきました。

今日も初顔合わせの卒業生が集う

●講師 上野哲先生(小山工業高等専門学校専任講師 博士・文学)

●タイトル 「ソーシャルワーカーとしての不適切な判断を減らすための方法論~哲学の理論をヒントに二者択一の見方を乗り越える~」

●参加者 13名(母子生活支援施設、知的障害者通所施設、一般病院、大学病院、精神科病院、保健所勤務の社会福祉士及び精神保健福祉士、小学校教員等)

●内容 ソーシャルワーカーという専門職が、「仕事の際限性の無さ」という特徴をもつことに着目し、私たちは「複数の知識や技術をそこそこ探求した上でそれらを複合・連携した知識を発展的に応用」しながら実践にとりくむ現実があることを上野先生は研修の冒頭で解説されました。そして、ソーシャルワーカーには、「倫理的ジレンマも複合的になるため、多方面に配慮した複雑な判断が不可欠である」であるとして、二つの映像を用いたケース討議を展開されました。一つは、戦場で部下が砲撃を受けた映画の一場面を鑑賞し、「あなたがここにでてくる曹長ならば、打たれた部下に対して何をするか」。もう一つは、ある神父が懺悔の場で生徒の一人が父親から性的虐待を受けていることを知りえた映画のストーリーから3場面を切り取って鑑賞し、守秘義務と職務との間で悩みながらどのような判断を下していくか。合計4つの問いに対する討議を行いました。

問いに対する自らの答えを必死になって出し合い、披露しあう

 4つのグループに分かれての小グループ討議では、参加者だれもが「ああでもない、こうでもない」と唸りながら、集中して討議に取り組みました。特に二つ目のケース討議では、自分がこの神父の立場だったら守秘義務を守りきるのかどうするのかを考えましたが、全体討議で出てくるグループごとの「とるべき行動」の中味、立場がそれぞれに随分と異なることに驚きの声をあげる光景がたくさんありました。

 最終的に上野先生が用意していた、複合的なジレンマに直面した時の対応策としては、「できるだけやらないほうがいいこと」「できるだけこだわったほうがいいこと」「できるだけ気をつけたほうがいいこと」の三点に集約されて解説されました。倫理原理にかんするさまざまな文献、事例等をふんだんに盛り込んで私たちを着地点に導いてくださり、大変有意義な2時間となりました。

なぜ「守るのか」、なぜ「守らないのか」・・・容赦なく上野先生はつっこんできます

2012年2月28日 更新 カテゴリー:開催報告